スイカのピノガールとは何ですか?
スイカのピノガールとは何ですか?
当農園の園主栽培経験が60年の杉山氏が解説。
※園主は栽培経験実績が驚きの60年の実績とは:地域のスイカを1935年ころ、松本市波田の下原集落でスイカが作られ始めた。(情報元:ウィキペディア)
弊社では初代から通算で約60年の栽培経験実績を指します。
「ピノ・ガール」は、ナント種苗株式会社が開発した小玉スイカの品種です。その最大の特徴は、種の大きさが通常のスイカの種の約4分の1と非常に小さいことです。このため、「マイクロシード小玉スイカ」とも呼ばれ、種を取り出すことなくそのまま食べることができます。
見た目は一般的な小玉スイカとほぼ同じで、やや腰高の形をしており、表皮には縞模様があります。果肉の色は濃い桃色で、一般的な小玉スイカと変わりません。しかし、種がとても小さいため、食べたときに歯に当たる確率がとても低く、まるで種なしスイカを食べているような感覚になります。
また、果肉は通常の小玉スイカよりも硬く、シャリ感が非常に強いです1。甘みも強く、ナント種苗の主力小玉スイカ品種である愛娘シリーズと同等の甘みがあります。果肉が硬い分、種周りの果肉の劣化も遅いので、棚もちも良いです。
栽培初期はツルが細めで弱そうに見えますが、草勢が弱りにくく管理しやすいです。低温時でも花粉の発生が良好で、着果率も高いです。無加温のハウス栽培、露地トンネル栽培がお勧めです。
以上の特徴から、ピノ・ガールはスイカの新しい概念を提供し、これまでのスイカに対する概念を大きく変える品種として注目されています。スイカの種に対しては食べる際に口から出さなければならないのが面倒という人が多く、スイカ離れの一因にもなっていたと考えられています。そのため、このような新しい品種の開発は、スイカの新たな魅力を引き出す可能性を秘めています。
ピノ・ガールの栽培方法は?
「ピノ・ガール」の栽培方法は以下の通りです:
- 播種:発芽適温は26度~30度です。挿し接ぎの際は通常より3日ほど早く、呼び接ぎの際は通常より1週間~10日間ほど早く播いて下さい。
- 接ぎ木:接ぎ木はマイクロシード®でも問題なし。ただし、強勢台木には注意が必要です。
- 苗の摘心:子蔓の発生が揃うように育苗で本葉5枚程度残し、摘心を行いましょう。
- 圃場準備:土壌分析を行い早いうちに堆肥などを入れ土づくりをおこないましょう。また石灰類は定植1ヶ月前程度に本圃に施用するよう心がけましょう。
- 定植:スムーズな活着を心がけます。定植前には薬剤等を入れて一緒に灌水をおこないましょう。定植後は保温の確保に努めます。
- 仕立て・整枝:「ピノ・ガール」は草勢の強い品種のため、整枝栽培では「全ツル着果」を基本としておりますので、1番果の摘果は必要ございません。
- 交配~着果:交配には、人工交配ないし蜂交配で行います2。交配は20節程度からの雌花を目標に行います。
- 着果促進:着果を促すためには、交配後の保温を十分に行いましょう。
以上の手順に従って、「ピノ・ガール」の栽培を行うことができます。また、プランターや鉢でも栽培することが可能です。ただし、プランターで育てる場合は深くて大きいサイズを用意し、鉢で栽培する場合は深さがある10号サイズがおすすめです。
なお、具体的な栽培方法については、動画も参考になるかと思います。これらの動画では、「ピノ・ガール」の栽培について詳しく解説されています。
今回のテーマ(スイカのピノガールとは何ですか?)はいかがでしたでしょうか!
“スイカ、果物の中で唯一の“涼”。知ってるとちょっぴりクールな、スイカの雑学を共感しよう!”
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